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土壌物理学会大会:第56回 2014年10月25日(土)
発表
順番
発表者 所属機関 発表タイトル(和/英) 発表要旨 PDF要旨
0 溝口勝(学会長) 東京大学 今年の土壌物理学会は10月25日-26日に宮城大学で開催されます。登録サイトをオープンしましたので早めの登録をお願い致します。 学会大会案内 https://js-soilphysics.com/conf/56 ダウンロード
0 土壌物理学会 登録の注意 とりあえず登録だけでも早めに済ませてください。あとで何度でも修正可能です。 PDFファイルも何度でも差し替え可能です。とりあえずはダミーのPDFをアップロードしておいてください。 ダウンロード
0 武藤由子、窪田有真、渡辺晋生 岩手大学農学部 Decagon社の土壌水分計5TEとデータロガーEm50を使い,豊浦砂と岩手大学の畑土壌について体積含水率と土壌水の電気伝導率の簡易的な推定を試みた.体積含水率は生長有効水分の範囲で出力値のTopp式による体積含水率を補正できた.土壌水の電気伝導率については,簡単な検量作業でHilhorstモデルによる推定が可能なことを確認した.ただし,土壌の比誘電率とされる出力値が溶質濃度の影響を受け体積含水率と土壌水の電気伝導率の推定の精度が低下すること,体積含水率が低いと土壌の電気伝導率が測定できないことがわかった. ダウンロード
0 佐々木 薫、秦 二朗、下登新一、諸泉利嗣 西日本高速道路エンジニアリング中国(株) 高速道路に散布される凍結防止剤(NaCl)と周辺地下水の塩化物イオン濃度,Na+濃度およびCa2+濃度との因果関係を究明した.その結果,塩化物イオン濃度は高速道路の下方谷側で本線に近いほど高濃度の値となっていることが明らかになった。また,地質により陽イオン交換量が異なることが分かった. ダウンロード
0 鈴木心也、溝口 勝 東京大学大学院農学生命科学研究科 福島県飯舘村の不攪乱水田土壌 (10 m×20 m) の放射性セシウムの空間分布を開発した土壌放射能鉛直分布測定器「土壌くん」と土壌採取により測定した。放射性セシウム濃度は同一水田でもばらつきが大きいこと、加えて地盤高が大きい箇所の周囲では放射性セシウム濃度が大きいことを確認した。また、測定器は土壌採取による測定値に比べ、空間分布を過大評価する傾向が見られたが、適切に補正を行うことで十分に現場測定に利用できる可能性があることがわかった。 ダウンロード
0 釣田竜也、大貫靖浩、壁谷直記 森林総合研究所九州支所 北部九州の森林斜面において,ゼロテンションライシメータとテンションライシメータを用いて土壌水の水質を調べた.表層土壌では特に斜面上部でマトリックス流とは水質が異なる,A0層通過水の水質を比較的保った選択流の存在が確認され,これには夏期に集中的に供給される降雨条件と表層土壌の撥水性が関与していると推察された.一方下層土壌では選択流の発生回数が低下するとともにその水質もマトリックス流との差が小さくなった.このため,選択流の影響は表層土壌に限定的であると推察された. ダウンロード
0 柳井洋介、宮本輝仁 農研機構野菜茶研 TDR法の普及により土壌の水分量と電気伝導率の同時計測が可能となった。これら計測結果を用いて土壌溶液の電気伝導率を推定するモデルがいくつかあるが,その利用は専門研究の内に留まっている。そこで本研究では,栽培研究への利用場面の回帰を視野に入れ,露地レタス栽培下で得たモニタリングデータを用い,RhoadesモデルとHilhorstモデルの類似性の検証を試みた。 ダウンロード
0 﨑川和起、諸泉利嗣、森 也寸志 岡山大学大学院環境生命科学研究科 排水不良を原因とする土壌劣化は, 表面流の発生で有機物に富む表層土壌を失うリスクがある。これまで人工マクロポアを用いた降雨の浸透促進による表面流の抑制を行ってきたが,浸透効果の度合いが不明確であった。本研究では土中水分・塩移動予測汎用プログラムであるHYDRUS-2Dを用いて人工マクロポアによる降雨浸透現象の模擬実験を行い,その効果を再現・評価した。実験ではクラストの形成を想定しており,その土層で人工マクロポアによる降雨の浸透促進が確認できた。この結果から浸透促進による表面流の発生の抑制が可能であるという知見を得た。 ダウンロード
0 守分秀一、那須遥子、森也寸志 岡山大学大学院環境生命科学研究科 土壌は陸域最大の炭素貯蔵庫であり、放出を減らし炭素固定をする方法が望まれている。土壌からの炭素放出を減じるために、土壌構造に注目をして、未処理区(裸地)、耕耘区、人工マクロポア区の3つの異なる管理条件でカラム実験を行い、有機物量の減少について観察した。その結果、人工マクロポア区は有機物の分解速さは未処理区よりも速くなるが、耕耘区と比較して水分保持に有利であるという初期の結果が得られた。現在、期間を延長して実験を行っており、水分や有機物量の観察を継続していく次第である。 ダウンロード
0 深田耕太郎 島根大学生物資源科学部 土壌の通気性に関するヒステリシスには,湿潤側での挙動の詳細やループの大きさが不明という問題がある.そこで本研究では,音響測定を用いて砂丘砂の通気性に関するヒステリシスを調べた.その結果,気相率20%以下で通気性にヒステリシスがないこと,その原因は,通気性のばらつきが排水過程で大きいためであることが明らかになった. ダウンロード
0 長田友里恵、渡辺晋生 三重大学大学院生物資源学研究科 凍土の透水係数を知ることは、凍結にともなう土中の水分・熱・溶質移動を考える上で重要である。地温が上昇すると、凍土の透水係数は不凍水量の増加にともない増大する。しかし融点近傍において、不凍水量が増加しても透水係数が変化しない温度領域が近年観察されており、これは比較的大きな間隙中に透水に寄与しない氷が融け残るためと考えられている。そこでここでは、融解過程にある異なる間隙率の凍土の透水係数を測定し、間隙率が透水係数に及ぼす影響を調べることで、間隙中の氷の融け残りについて検討した。 ダウンロード
0 釘崎佑樹、渡辺晋生 三重大学大学院生物資源学研究科 マクロポアが土の凍結・融解浸潤に及ぼす影響を評価するため、黒ボクとシルトを用いてカラム実験を行った。凍結過程では黒ボクはシルトより凍結の進行が遅く、未凍土から凍土への水分移動量が多かった。氷の生成による潜熱の発生量や未凍土の透水係数の違いによると考えられる。融解過程では土質によらず同様のマクロポアの影響がみられた。シルトは黒ボクより浸潤水の流れ始めの地温が低かった。これは同じ地温でも保持できる不凍水量が異なるためと考えられる。 ダウンロード
0 西脇 淳子、溝口 勝、登尾 浩助 茨城大学 農学部 福島第一原子力発電所の事故で汚染された農地での農業再開に向け、表土削り取り除染後水田に稲わら、または堆肥を施用し、有機物分解速度をガスフラックスの側面から検討した。落水および夏場の地温上昇により、堆肥区での有機物分解が活発となることが示唆された。 ダウンロード
0 花山奨、小池悠太、安中武幸 山形大学農学部 従来の対流センサーの問題点として①取り扱いが難しい、②センサーが大きいため室内実験での使用が限られる、などがあげられる。本研究では、これらの問題に対処するため熱伝導率の測定で用いられるヒートプローブで対流速度の測定を試みた。その結果、従来の対流センサーより感度は低下するが、対流速度0.5mm/sから2.5mm/sの範囲で測定が可能であることが明らかとなった。 ダウンロード
0 篠宮佳樹、小野賢二、今矢明宏、坂本知己 (独)森林総合研究所東北支所 宮城県仙台市の海岸防災林再生においてクロマツの植栽が予定されている人工造成された盛土の 土壌物理性を調査した。深さ40 cm より浅い部位において容積重、土壌硬度が最大、飽和透水係数が 最低となる傾向が認められた。 ダウンロード
0 岩田幸良、奥島里美、岡澤立夫、島地英夫、高杉真司 農研機構農村工学研究所 津波被害の復興のため、震災後に建設された山元町のビニールハウスに、日中の温室内の熱を地中に貯留する改良を加えた地中熱ヒートポンプを設置した。ヒートポンプの採熱量や地温の測定結果から、温室内の熱が効果的に土層に貯留されることが示唆された。ハウス内の3箇所の圧力水頭と飽和透水係数の測定結果から、熱交換器を埋設した深さの顕著な土壌水分移動はみられず、移流による水移動は無視できることが効果的な蓄熱の一因であると考えられた。 ダウンロード
0 三木 真隆、取出 伸夫 三重大学大学院 窒素・炭素循環連結モデルを用いて,C/N比の低い大豆粕とC/N比の高い稲わらが投入された土中のアンモニア形態変化と植物根の受動・能動吸収を計算した.大豆粕の分解によって無機化したアンモニアは,稲わらの分解によって有機化された.植物根のアンモニア吸収は,水分量が高い状態では受動吸収が卓越する.水分量の減少に伴い根の吸水速度が低下すると,受動吸収のみでは植物の要求量が賄えなくなり,能動吸収による吸収が増加した. ダウンロード
0 加藤幸、伊東竜太、溝口勝 弘前大学農学生命科学部 水田から転用された樹園地は,一般園とは異なる土壌環境を有するため,条件にあった灌漑排水対策を検討する必要がある.さらに,「ゲリラ豪雨」など非常に極端な天候変化への適応策の検討にあたっては,継続的なデータの蓄積が欠かせない.本研究では,青森県弘前市近郊の転作ブドウ園におけるモニタリング結果をもとに,転作樹園地の灌漑排水対策を検討した結果を報告する. ダウンロード
0 平嶋雄太、松本 薫、上村将彰、Ty P. A. Ferré、Markus Tuller 佐賀大学農学部 TDTセンサーを利用した低EC土壌のEC計測を行う際に多発する出力値のエラー問題を改善するために,NaCl溶液と混合した不飽和砂を対象に,バルクEC(σTDT)および波形最大勾配(SMax)を測定した。低EC条件のσTDTはエラー値を示したが,4極ECセンサーで別途測定したEC値(σ0)とSMaxとの経験的関係に基づき,σTDTを再計算した結果,エラー値問題の改善と計測レンジの拡大を実現できた。 ダウンロード
0 吉田莉惠、渡邊真子、平嶋雄太、宮本英揮 佐賀大学農学部  重粘土SRI水田の水管理に適した指標を検討するために,TDTセンサーを用いてSRIおよび慣行稲作における重粘土中の見かけの誘電率(εTDT)・含水比(w)を観測した。慣行区では,自重圧密による固相率の増加に伴ったwの低下を捉えることができた。SRI区では,土壌の乾燥に伴ってサンプリングエリア内へ伸長した亀裂に水が流出入することによって,栽培期間のwを決定できなかった。しかし,亀裂形成前に限定すればεTDTからwを求められること,また,亀裂形成後はεTDTに基づいて,亀裂内水分の有無を判別できることなどが明らかになった。 ダウンロード
0 宮本英揮、上村将彰、Ty P. A. Ferré、Markus Tuller、畑本珠実 佐賀大学農学部 粘土の含水比(w)計測に対するSDI-12型TDTセンサーの適用限界および感知部の被覆の有効性を明らかにするために,カオリナイトおよびベントナイトスラリーの見かけの誘電率(εTDT)とwとの関係を調べた。透過信号の強度が検出限界を下回らない限り,被覆材の有無や種類によらず,カオリナイトスラリーのwを決定できたが,強い誘電分散を示すベントナイトスラリーについては,wに対するεTDTの明確な応答が認められなかった。 ダウンロード
0 上村将彰、宮本英揮、登尾浩助 佐賀大学大学院農学研究科 同一測定条件の土壌水分計測に対するTDTとTDRの測定感度・精度を比較するために,水分量の異なる砂の時間領域波形を取得・解析し,見かけの誘電率(εTDT,εTDR)を測定した。水分飽和条件における両法の有効周波数の差異が小さかったこと,また,εTDTおよびεTDRから算出した体積含水率の測定精度が概ね等しかったことなどから,TDTとTDRの水分計測感度・精度は同程度であることが確認された。ただし,TDTはノイズの処理が容易であるため,野外計測に適した手法である。 ダウンロード
0 高木恭平、田口明伸、宮本英輝 佐賀大学農学部 難透水性土壌の飽和透水係数(Ks)の測定法として,加圧型透水試験法を開発し,同法を用いたリーチング実験により,Na飽和ベントナイト・砂混合土の飽和透水係数(Ks)と溶液濃度(C)との関係を調べた。加圧型試験器を適用し,Ksの測定下限値を10^-4 cm d^-1のオーダーまで測定した結果,広範な領域におけるKs-C関係と,動水勾配(i)によって生じ得る除塩効率の差異とを明らかにすることができた。 ダウンロード
0 吉川 省子、黒田 康文、阿江 教治 農業環境技術研究所 フェノール性酸、炭水化物を、黒ボク土、灰色低地土、黄色土に混合し、-3kPa (pF1.5)、室温にて1ヶ月培養後、平均重量直径(MWD)を測定した。いずれの土壌でもフェノール性酸混合区でMWDが最も上昇した。また、同処理土壌を培養せずに連続通水により透水係数の推移を測定した。透水係数は時間とともに低下するが、いずれの土壌でもフェノール性酸混合区では、その低下の程度が抑えられた。フェノール等の団粒維持に及ぼす効果とそのメカニズムを探るために、上記3土壌に、それらを混合、または表面塗布して団粒を作り、-3kPa、室温にて153日間培養し、経時的に団粒の安定性を水滴落下試験により求めた。黒ボク土ではフェノール性酸表面区、黄色土ではフェノール性酸混合区、灰色低地土ではフェノール性酸表面区と混合区とも、最も団粒が安定に維持された。フェノール性酸の混合処理と表面塗布処理で効果が異なる理由は、土壌の粘土鉱物、表面荷電、比表面積、活性アルミ・鉄等量の違いによると考えられた。 ダウンロード
0 岡橋卓朗、坂井勝、取出伸夫 三重大学大学院生物資源学研究科 植物根の吸水量を評価するには,吸水強度分布b(z)と水ストレス応答関数α(h)を把握する必要がある.本研究では,ダイズ畑において体積含水率と気象データの測定を行い,吸水過程の水分変化,水分減少量に基づく蒸散速度,可能蒸散速度を求めた.降雨後の土が湿潤な期間,その後の乾燥が進行する期間の水分変化に数値計算を適合することで,b(z)とα(h)をそれぞれ推定した. ダウンロード
0 名倉理紗、Meechai Siangliw、登尾浩助 明治大学大学院農学研究科 植物の塩ストレスが引き起こされる要因の1つに、Na+の過剰摂取が挙げられる。粘土粒子は陽イオンであるNa+を吸着することから、本研究は栽培媒体が異なれば植物のNa+吸収量も異なるのではないかという仮説を立てた。水耕、壌土、砂でイネを栽培したときの土壌溶液・水耕溶液中のNa+濃度、根および地上部のNa+濃度を測定し比較した。土壌溶液・水耕溶液中のNa+濃度は壌土、砂、水耕の順に高く、地上部でもNa+量は同様の傾向であったので仮説は棄却された。 ダウンロード
0 片野健太郎、小宮秀治郎、登尾浩助 明治大学大学院農学研究科 タイ国カセサート大学の水田において, 水稲根の有無が与える土壌中のメタン (CH4)と二酸化炭 素(CO2) ガスの生成・分解への寄与について天然炭素安定同位体比を使って調査した. 水稲根圏 の CH4 と CO2 の炭素安定同位体比は表層部 (深さ 3 cm) と根端部 (15 cm) で異なる傾向を示 したが, 株間では表層部と根端部の間で明確な炭素安定同位体比の変化は見られなかった. 炭素 安定同位体比の変動から, 水稲根圏では表層部で炭酸還元反応, 根端部で CH4 の酸化が起きてお り株間では酢酸を基質としたメチル基転移反応によりCH4 が生成されていたと考えられる. ダウンロード
0 山崎琢平、井本博美、濱本昌一郎、西村拓 東京大学 土壌パイプの有無やその配置が降雨流出応答の時間変化に及ぼす影響を数値解析により検討した.土壌パイプには土壌からの排水を促進し土槽内の水分量を低下させる機能があるものの,下端流出量の時間変化には影響を与えないことが明らかになった. ダウンロード
0 冠秀昭、関矢博幸、大谷隆二、平直人、千葉克己 農研機構東北農業研究センター 海水浸水農地における大豆作の塩害対策として、除塩促進のために簡易暗渠を施工し、その前後の土壌塩分動態を電磁探査法により把握した。電磁探査法により計測したみかけの電気伝導度ECaと固液比1:5水抽出法により測定したEC1:5には直線関係がみられ、除塩の指標とされるEC1:5の値を推定できることが示唆された。圃場全体のECaから求めたEC1:5の推定値の変化から、簡易暗渠施工によって一定の除塩効果が得られたことを確認した。 ダウンロード
0 青木 伸輔、香原 幹斗、登尾 浩助 明治大学大学院 農学研究科  サーモTDR法を用いた不飽和土壌中の油分濃度の推定を行った.本実験から汚染溶液だけが含まれている状態の推定は可能であることが示された.一方で,本手法では汚染溶液と水が混合した状態では含液率が大きくならなければ,土壌中の油分濃度の推定が困難であることが示された. ダウンロード
0 成毛千尋、坂井勝、取出伸夫 三重大学大学院生物資源学研究科 植物根の生長段階における、根密度分布の変化、蒸散と吸水にともなう水分分布の変化を測定することを目的に、ダイズのポット栽培を行った。ダイズの生長に従い、下方へ根が伸長し、下層の根密度が増加した。また、実験開始後1ヵ月間は蒸散量が増加し、その後はほぼ一定であった。根密度が大きい下層で大きな水分減少が生じたが、上層でも比較的大きな減少が見られた。 ダウンロード
0 原田鉱一郎 宮城大学食産業学部 林野火災が発生したアラスカの永久凍土地帯において、燃焼地と非燃焼地で2次元電気探査を実施した。ここで得られた1m深までの見掛比抵抗値を比較すると、燃焼地での値は低くなっていた。見掛比抵抗値を用いて活動層内の土壌の真の比抵抗値を求めるために、計算モデルを提案した。その結果、燃焼地では真の比抵抗値も低く、また年変動も小さいことが明らかになった。 ダウンロード
0 服部泰幸、西村直正 岐阜大学大学院応用生物科学研究科 現在、紙や布などに代表される「繊維質シート状資材」は、土木用資材、包装材料、医療材料、工業材料、家庭用品等の幅広い分野で使われている。それは、この資材が物質吸着、脱着、吸水、保水、透水、透湿、断熱、通気など、多孔質材であることに基づくさまざまな機能を有していることに加え、シート状であることの利便性を備えているためである。 一方、土壌試料の土壌水分特性曲線に対しては、湿度計併用の2点式あるいは1点式のテンシオメータ法により簡易に連続測定が可能なことが示されてきた。そこで本研究では、日常的に使われているような市販の繊維質シート状資材、数種に湿度計併用のテンシオメータ法を適用し、得られた水分特性曲線を比較検討した。 ダウンロード
0 山田 健太、小林 幹佳、藤巻 晴行 筑波大学 土壌表層に高分子電解質複合体(IPC)溶液を散布し、降雨シミュレータを用いて侵食実験を行った。その結果、PIC溶液の散布量の増加に伴い、表面流出水と流亡土の発生量が劇的に低下することが明らかとなった。表層に形成されたIPCゲルが土粒子間の結合剤として作用し土壌の構造を安定化させたため、侵食量が低減したと推察された。 ダウンロード
0 田川堅太、長裕幸、北野雅治、王維真 佐賀大学農学部 中国の畑地圃場において, 作物栽培がNa+の作土層への集積の進行に及ぼす影響を明らかにするために,ヒマワリ,ビート,コムギ,トウモロコシの栽培を実施し,土壌,植物体におけるNa+集積量の経時変化を調べた。その結果,栽培期間終了時の土壌のNa+集積量は,植物体のNa+吸収量が大きいビートよりも,ヒマワリやコムギの方が低い値を示した。 ダウンロード
0 徳本家康、西脇淳子、坂井勝、渡辺晋生、宮本英揮 佐賀大学 東北被災地の「復興農学」に関する科学技術コミュニケーションの推進のため,土壌物理学会が蓄積している研究成果およびその解釈の仕方をアウトリーチ活動として市民向けに情報提供し,市民参加型“協働”コミュニティーネットワークの形成を図った.主にセシウム土壌汚染地域の農業復興を目標として,研究活動へ市民のニーズをフィードバックする対話型ネットワーク,および科学館などを通じてその科学技術認知度を上げる教育型ネットワークの構築を目指した. ダウンロード
0 加藤千尋、西村 拓 弘前大学農学生命科学部 気候変動下の任意の地点における農地土壌水分・温度状態予測に向けて,富山市吉岡近辺を対象に土壌のデータベースの適用可能性を検討した.土壌水分状態は,土壌構造など圃場ごとの不均一性の影響が強く土壌物理性データベースの保水性データを基に水分移動特性関数を決定することが望ましい.また,本研究で用いた熱伝導率データは圃場の熱伝導率を大きく見積もった.土壌の熱伝導率の推定精度は,特に土壌乾燥時の地温予測結果に影響を及ぼした. ダウンロード
0 永野一輝、徳本家康、千葉克己、長 裕幸 佐賀大学  津波被災農地における除塩過程を観測するために,塩類土壌および除塩処理(水洗)土壌を用いた鉛直埋設型カラム実験で時間領域透過法(TDTセンサー)の校正式を求めた.津波被災農地の比誘電率(ε)-体積含水率(θ)関係はTopp式よりも若干高く,バルク電気伝導度(バルクEC)が6 dS m-1以上で計測不能となった.津波被災農地における除塩過程の観測には,高水分・塩分耐性のプローブ被覆加工の必要性が明らかとなった. ダウンロード
0 中野恵子、深見公一郎 農研機構九州沖縄農業研究センター 水稲乾田直播のための漏水防止技術開発に向けて、振動ローラの走行速度と作業工程による透水性低減効果を明らかにしようとした。塑性限界程度の土壌水分状態での振動鎮圧により、作土内に透水係数の小さな部位が形成されたが、高速(4km/h)走行の場合と耕うん後に麦踏ローラによる整地をおこなう場合には、透水係数の大きな低下は認められなかった。また、振動ローラによる透水係数の低下は間隙総量の減少ではなく構造の変化によるものと推察された。 ダウンロード
0 常重友佑、渡部理緒、稲葉千明、登尾浩助 明治大学農学部 水田において異なる水管理が、水田からの主要な温室効果ガスであるCO2、CH4およびN2Oガスの放出量におよぼす影響を調査した.その結果、CO2、CH4およびN2Oガスフラックスは水管理によって変化し、間断灌漑を取り入れた水管理において、これら温室効果ガスの放出抑制に効果的であることが示された.今後は、収量調査を行い水管理の違いが収量におよぼす影響についても検討する。 ダウンロード
0 佐藤直人、登尾浩助 明治大学大学院農学研究科 微小重力下における不飽和多孔質媒体中の溶液挙動を明らかにするため、表面張力の変化が浸潤に与える影響を評価した。浸潤溶液として異なる濃度のエタノール水溶液を用いて、水平浸潤実験を行った。エタノール濃度の増加にともなう表面張力の低下により、浸潤速度が低下し土壌中の水分分布は不均一になったが、キャピラリー数が増すと浸潤速度は上昇した。 ダウンロード
0 南條正巳 農学研究科 2011年3月11日の大津波に被災した宮城県沿岸部の農地土壌の概況を同年5月11〜19日に調査し、試料採取した。土壌侵食は津波が道路や畦などの微高地から落下する地点に認められた。津波の運んだ砂は沿岸部に多く、泥質堆積物は津波の到達した中間的位置に多かった。塩濃度は泥質堆積物で高く、残存土壌で低下した。泥質堆積物の表面には塩化ナトリウムの他に石コウの結晶も認められた。炭素含量の水平分布から泥質堆積物の主な由来は農地の作土と見られた。 ダウンロード
0 粟生田忠雄、齊籐 輝 新潟大学農学部 2011年の福島第一原子力発電所の事故以降,阿賀野川を水源とする米の放射性物質の汚染が懸念されている。本研究は,阿賀野川下流域の43枚の水田における放射性セシウムCsの拡散実態を把握するため,土壌と玄米のCs濃度を分析した。その結果,ほとんどの水田では用水源に関わらず土壌のCsが検出された。しかし,玄米のCsは検出限界以下であった。134Csを検出した水田は,阿賀野川を用水源としており,その濃度は頭首工からの距離と相関性がみられなかった。 ダウンロード
0 森 也寸志、佐藤直樹、宮本珠未、稲生栄子、登尾浩助 岡山大学大学院環境生命科学研究科 東日本大震災の際には原子力発電所の事故により東北地方を含む複数の県に放射性物質が降下した.表土はぎや天地返しが放射性物質の除去に有効とされるが,比較的広い低平地にしか適用できず,傾斜地や森林などは手つかずの状態である.本研究では,下方浸透促進に効果のあった人工マクロポアを使って表層に集積する放射性物質を下方移動させ,固定させることを試みた.さらに,根群域での吸収を防止するために根群域をバイパスする浸透の技術構築を行った. ダウンロード
0 杉本英夫、辻 博和 株式会社大林組技術研究所 東日本大震災の塩害農地の津波堆積土に,土壌改良材としてカルシウム資材を添加した場合の凝集分散の挙動を調べた。試験は, ESP15%以上となる表層土壌を供試土にして,乾燥土相当量の供試土20gと200mL有栓シリンダーを使用した水溶液を作り濁度,pH,ECを測定した。土壌の凝集条件は,pH6.5以下でEC25~30mSm-1,およびpH8以上でEC 1,000mSm-1以上であるが,pH中性でもカルシウム資材の200mgL-1以上の添加量で凝集することを確認した。 ダウンロード
0 千葉克己 宮城大学食産業学部 東日本大震災の大津波により宮城県沿岸部の農地は甚大な被害を受けたが,懸命な復旧作業により,約8割の農地で営農が再開されている。津波被災農地には地区排水機能の低下,塩害,地盤沈下,がれき・津波土砂の処理などの問題があり,その復旧には暗渠排水,心土破砕,モニタリング技術,除礫,反転耕,客土,表土扱いなどの農業土木的対応が不可欠である。 ダウンロード
0 服部拓生、西村直正 岐阜大学大学院応用生物科学研究科 本研究で調査の対象とした中山間地のH地区おいては、大正7年まで銀や銅、鉛などの鉱石が採掘されていた鉱山があり、そこからの排水や排煙などにより土壌汚染が起きたと推定されている。著者ら(2013)1)は本鉱山跡地とその周辺地域の土壌調査によりCdとCuの含有量を調べて、かつて排煙由来による汚染が広がった可能性を指摘した。これに対して本研究では、地下水への流出による汚染の広がりの可能性を調べるために鉱山跡地の土壌を用いて溶出試験を行った。 その結果、代表的な2ヶ所の調査地点で基準値の0.01mg/Lを超過していないことがわかった。また表層から数10cmまでは深さに伴う溶出量の上昇傾向も、特に見られなかったことから、今後とも地下水汚染が生じる可能性は低いものと考えられる。 ダウンロード


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